車を楽しむ、車で楽しむ

車を楽しむ、車で楽しむ

1年でかなりの距離を走ったソニカ。
まだまだ元気だけど、来年はどうなっているか。

今を楽しみつつも、変わりゆく人生のなかで、
相棒との関わり方をどのように捉えるか。

目次

相棒を迎え入れて1年が過ぎた

東京の暮らしから郊外の暮らしに変わった。
ガソリンスタンドで出会った相棒との暮らし。

──あれから1年ほど過ぎた。

ソニカは相変わらず順調だ。
整備記録簿もかなりのページが刻まれた。

「そろそろオイル交換の時期だな。」

そんなことを考えながら、
信号の少ない郊外路を流していた。

赤信号で停まったときにふと気づく。

「あれ、走行距離13万kmまで来てたんだな。」

その割には目立った不具合もなく、
年式相応以上の調子の良さだった。

そりゃ気づかないわけだ。

「ちょっと遅すぎたけど、プラグ交換もしておいた方が良いかも。」

こういうことに気づけるのも、
ソニカとの生活を楽しめている証なんだろうな。

でも──
ふと気づいたことがあった。

「このペースだと来年の車検の頃には20万kmくらいになるんじゃないか。」

そう、購入時には約7万kmだったソニカ。
1年で6万km以上走行していた。

何の気なしに乗っていたが、
カーライフが楽しくてついつい乗り倒していたみたいだ。

──この車、いつまで乗れるんだろう。

ほんの少しだけ、寂しさを覚えた昼下がりだった。

おじさん整備士に相談してみた

いつものカー用品店。
ここに来るとなんだか落ち着く。

「いらっしゃいませー!今日は元気が無い気がしますね。」

そこにはいつもの新人店員がいた。

「そうかな。ソニカに乗って1年経つんだなって考えてたんだ。」
「そうだ、今日もエンジンオイルと、あとスパークプラグを買いに来たんだ。」

「そっか。もう1年経つんですね。」
「毎月オイル交換してるくらいだから結構走ってるんじゃないですか?」

「そうなんだよ。もう走行距離が13万kmまで来てて。」

「…じゃあプラグ交換は納得だな。プラグレンチは持ってるのか?」

──いつもの整備士だ。

そういえば工具を持っていなかった。
オイルとプラグ、工具を見繕ってもらった。

「さっき話してたんですけど、もう13万km走ってるんですよ。まだ乗れますかね?」

「それなら来年の車検の頃には20万kmだな。」
「乗れるかどうかで言えば、乗れるよ。」
「ただし、タダじゃねえ。古い車には古い車なりの付き合い方がある。」

そうだよな。
それなりに手間もお金もかかる。

「得か損かだけで決めるなら、乗り換えるやつの方が多いかもな。」
「でもな、兄ちゃんが考えるべきなのは、得か損かより、こいつとどう付き合いたいかだ。」

あ、そうか。
今まであんまり考えてこなかったけど、
そもそも乗り換える人が多いくらいの車なんだよな。

──こいつとどう付き合いたいか、か。

すぐに決められることでもないし、
すぐに決める必要もない。

ゆっくりかんがえてみることにしよう。

「そうですね。ありがとうございます。」

会計を済ませ、帰宅した。

人生のほうも変わり始めていた

実は、生活にも大きな変化があった。

仕事が順調に拡大している。
それと、彼女が出来た。

先日一緒に旅行に行った子。
長年の付き合いはあったけど、
ソニカをきっかけに進展したのかな。

そんなわけないか。

結婚も考えている。
引越も考えている。

そして、ソニカのことも考えなきゃ。

考えることは嫌いじゃない。
1年前に生活について考えたときもそう。

人生が大きく動いている。
それは、自分が成長しているってことなのかもしれない。

「そういえば同窓会の案内が来ていたな。」

来週、生まれ育った地元での同窓会。
旧友にも相談してみようかな。

ちょっと心が軽くなった気がした。

旧友に相談してみた

同窓会は楽しかった。
数年ぶりにあった旧友。

免許取りたての頃は、
お互い背伸びして中古のスポーツカーで遊んでたっけ。

そんな旧友も今は家庭を持っていた。
子どももいるらしい。

今はルーミーに乗っている。
スポーツカーのように走りを楽しめるわけじゃない。
でも、今の車は室内空間が広くて、
ベビーカーもチャイルドシートも無理なく載せられる。
乗り降りもラクだし、休日はお出かけしやすいらしい。

そっか、旧友の人生も動いてるんだな。
「車を楽しむ」から「車で楽しむ」に変わったのだろう。

なるほど。そういう考え方もあるか。

「お前は昔から、なんていうか楽しみ方の幅が広かったよな。」
「だから今も、ソニカっていうの?」
「俺は知らないけど、そういうカーライフを見つけられるんだよな。」

確かにそうだ。
ソニカを知ってる人ってあんまりいないんだよな。
不人気車だったらしいし、販売台数も少なかったらしい。

でも、それが今の俺には心地よかった。
レアだからじゃない。
多くの人に選ばれなくても、刺さる人には刺さる。
そんな素敵な相棒だと思っている。

でも、それは独身の自分を起点に考えていた。
去年から状況は一変している。

今だからこそ考えられることもあるのかもしれない。

「今回も、良い同窓会だったな。」

相棒を楽しんだのか、相棒で楽しんだのか

あれから3か月。
走行距離は15万kmを超えていた。

メンテナンス。
整備記録簿。
ドライブ。
旅行。

どれも楽しかった。
車を楽しむこともしたし、
車で楽しむこともした。

旧友は、ライフステージごとに楽しみ方を変えたのかもしれない。
でも、そうじゃない楽しみ方だってあるのかもしれない。

俺の場合はどうだろう。

車を楽しみ、車で楽しむ。
どちらかを選ぶのではなく、どちらもある。
そんなカーライフだって良いんじゃないかと思う。

もしかして、
相棒って、モノじゃなくて考え方に宿るんじゃないか?

車を楽しみ、車で楽しむ。
ひとりで楽しむこともあれば、誰かと楽しむこともある。
そんなカーライフを彩ってくれる存在が、相棒なのかもしれない。

相棒って、ソニカだけを指すわけじゃないのかもしれない。

少しだけ、理想のカーライフの輪郭が見えてきた気がした。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次